箱根・強羅の旧閑院宮別邸跡地に建てられた、高級温泉旅館『強羅花壇』。
箱根には高級旅館が数多くありますが、『強羅花壇』は、芸能人が数多く宿泊する知名度があることから一度は泊まってみたい旅館と言えるのではないでしょうか。
1泊10万円は優に超える宿泊料金ですが、一度は宿泊してみたかったので、清水の舞台から飛び降りる気持ちで宿泊してきました。
1泊10万円を超えるような旅館だからこそ失敗はしたくないと思いますので、強羅花壇に宿泊して感じたことなどを書かせて頂きました。
ぜひ、箱根旅行の際にご参考にして頂ければ幸いです。
目次
お金持ち以外は行かない方が良い、決しておすすめは出来ない高級旅館
宿泊した感想を一言で表すと、「お金持ち以外は行かない方が良い旅館」という印象です。
通常の客室に宿泊する人にとっては、あまり楽しめる旅館ではなく、宿泊者をもてなすという心が感じらえない残念な旅館といった感想です。倍以上の宿泊料を払う人にとってはいいのでしょうが、、、、
1泊10万円を超える宿泊施設というのに、同じような価格帯のリッツ・カールトンの足元にも及ばないホスピタリティの低さでした。
箱根には高級旅館は他にもありますが、個人的には『翠松園』の方がだんぜんおすすめです。特に、子連れであればあるほど、『強羅花壇』には行かない方が良いでしょう。(二度と行くことはないと思いました。)
『強羅花壇』に宿泊したことがある、という経験を買うためであれば別だと思いますが、、、
強羅花壇についての紹介
箱根登山鉄道「強羅駅」から徒歩約3分に位置しています。ロマンスカーの終着駅である箱根湯本駅からは約10㎞、タクシーで25分程度。
JR新宿駅からですと、ロマンスカーなどを乗り継いで合計2~3時間です。
また、世界的に有名なホテルレストラングループ「ルレ・エ・シャトー」の厳選な審査に合格し加盟店(日本の宿泊施設では11軒)となっていることもあり、海外から高い評価を得ている旅館のようです。
全室39室で、客室棟に35室あり、残り4室は離れとなっています。
基本情報
住所:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
TEL:0460-82-3331(代表)
総客室:全39室(離れ:4室を含む)
ルレ・エ・シャトーとは、
ホテルオーナーやシェフによる個人・家族経営の魅力的な高級ホテルや一流レストランが加盟する協会(世界60ヶ国以上、約550軒)。加盟には厳格な審査が課され、ホスピタリティの高さを象徴する協会として知られているようです。
日本においては、宿泊施設で11軒が登録されています。
- あさば(伊豆 修善寺)
- 要庵 西富家(京都)
- 神戸北野ホテル(神戸)
- 強羅花壇(箱根)
- ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ(沖縄)
- 天空の森(南きりしま温泉)
- 扉温泉明神館(松本)
- 西村屋本館(城崎温泉)
- 別邸仙寿庵(谷川温泉)
- べにや無何有(山代温泉)
- 忘れの里 雅叙苑 (妙見温泉)
沖縄にある「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」につきましては、一度宿泊したことがありますので、こちらもご参考にして頂ければ幸いです。
全て電車で向かう場合には、新宿から約2時間半
強羅駅まで電車で行く場合には、JR新宿駅から約2時間半となります。
新宿駅から小田急電鉄の「特急ロマンスカー」に乗ると、約90分で箱根湯本駅に到着します。箱根湯本駅で下車すると、改札を出ずに箱根登山鉄道に乗り換えることができ、強羅行きの電車に乗り約35分で強羅駅に到着となります。
ロマンスカー
- 所要時間:約90分(新宿-箱根湯本)
- 料金:
大人料金 | 特急券 | 乗車券 | |
切符 | 2,330円 | 1,110円 | 1,220円 |
IC | 2,321円 | 1,110円 | 1,211円 |
- 注意点①:特急券を購入しないで乗車した場合、車内で特急料金に310円を加算した料金の支払いが求められる。
- 注意点②:6歳未満の乳幼児が特急の座席を使用する場合、こどもの特急券と乗車券が必要(大人の半額)
- ダイヤ:7時00分発(箱根湯本着8時27分)~18時00分発(箱根湯本着19時32分)まで約20本運行時刻表
強羅駅まで行けば、旅館から無料で送迎してもらえる
電車で強羅駅まで行けば、旅館まで無料で送迎をしてもらえます。
強羅駅に到着したら旅館に電話をしましょう。黒塗のSクラスのベンツ(4人乗り)で迎えに来てくれます。
JR小田原駅からタクシーで約40分、箱根湯本駅からタクシーで約25分
ロマンスカーで箱根湯本駅まで行かず、JR小田原駅から向かう際にはタクシーで約40分。
また、箱根登山鉄道はかなりゆっくりですので、乗るのがやや億劫という場合には、箱根湯本駅からタクシーで約25分です。
新幹線で行く時の注意点!!
なお、JR「小田原駅」まで新幹線でアクセスする場合に、荷物について注意が必要です。
東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線に乗車の際、バッグ(多くがキャリーケースですが)の3辺の合計が160cmを超える荷物(「特大荷物」)を新幹線に持ち込む場合は、事前に特大荷物スペースつき座席を予約することが必要となりました。
事前予約をしないでに特大荷物を持ち込んだ場合には、持込手数料として1,000 円(税込)が発生し、乗務員の指定する所に荷物を置くことになります。
注意しておきたいのが、自由席への特大荷物は持ち込み不可ということです。未就学児がいる場合には、未就学児の指定席券を購入する必要も出てきますのでお気を付けください。
特大荷物がある場合
- 特大荷物とは、3辺の合計が160cmを超える荷物
- 特大荷物スペースつき座席(指定席)の予約が必要
- 自由席への持ち込みは不可
車の場合、東名高速に乗ってから約2時間程度
東京からですと、東名高速で厚木ICを経由し、小田原厚木道路で小田原西インターチェンジまで行き、小田原西インターチェンジで宮ノ下/湯本 方面の 国道1号線に入り、そのまま強羅まで向かいます。
東名高速に乗ってからは、渋滞がなければ約90分着くことが出来ます。出発する時間にもよりますが、「横浜町田」辺りは渋滞が発生しやすいですので、プラス30分程度(約2時間程度)を見ていた方が良いかもしれません。
なお、御殿場アウトレットからは、30分程度で行くことが出来ます。
強羅花壇は、回廊が美しい旅館
強羅花壇では、本館から月見台(本館の一番端)へ向かう回廊がとても美しく有名です。
屋内プールや宴会場のある3階建ての本館、大浴場、5階建ての客室棟、離れ、懐石料理を味わえるレストランの建物から構成されています。
月見台
ホテルのエントランスを入ると、とても心地よい香りに包まれ、正面にロビーラウンジがあります。こちらで軽食やアフタヌーンティーを楽しんでいる方が結構いらっしゃいました。
月見台からの景色
チェックインは15:00~19:00、 チェックアウトは11:00
強羅花壇のチェックインは、15:00~19:00となっています。
エントランスを入ったところのロビーでチェックインを行います。15:00より30分程度前についてしまいましたので、15:00まで待ってからのチェックインとなりました。
アーリーチェックインできるものだと思っていましたが、そこは厳格でした。
エントランス
宿泊者の駐車場代は無料で、バレーサービスあり
強羅花壇の駐車場代金は宿泊者は無料です。
また、バレーサービスもついています。旅館の入り口前で車を停めて、スタッフに車のカギを渡せば終わりです。
ちなみに、駐車場を見ると、ベンツ、ポルシェなどの高級外車が9割でした。
強羅駅までの送迎の乗車、降車ついても、旅館入り口前となります。
旅館入り口
宿泊者は、子供連れでない夫婦、グループなど
館内、チェックイン、チェックアウトで宿泊者を見ていると、子供連れでない夫婦4割、ご婦人グループ4割、子連れファミリー1割、カップル1割の様な感覚でした。
小さい子供連れはほとんど見ませんでしたし、コロナ禍前でしたが、外国人も見ませんでした。
子連れで行くところではないと思いました。
お部屋についての紹介
強羅花壇では、通常のお部屋(スタンダード和室A~D)は2,3階、露天風呂付のお部屋は各階及び離れがあります。
何れのお部屋も二間以上の広さがあります。スタンダード和室でも客室としては十分な広さとなっています。
1泊の料金目安を記載させて頂きました(税込み、夕朝食込)。
スタンダード和室A~D | ||||
室数 | 広さ | 階数 | 宿泊経験 | 料金目安 |
14 | 14~22帖 | 2,3階 | 〇 | 115,000円~130,000円 |
露天風呂付のお部屋 | ||||
室数 | 広さ | 階数 | 宿泊経験 | 料金目安 |
21 | 16~24帖 | 1,2,3,4,5階 | × | 140,000円~168,000円 |
離れ | ||||
室数 | 広さ | 階数 | 宿泊経験 | 料金目安 |
4 | 16~24帖 | - | × | 150,000円~200,000円 |
和室タイプB(柊)の居室はやや古さを感じる
スタンダード和室Bの柊(ひいらぎ)に案内されました。
建築されてから時間が経っているので仕方がない部分もありますが、家具等ところどころある程度年季の入った部屋との印象を受けました。
もうちょっときれいなお部屋を想像していましたが、スタンダード和室にはお金はかけていない感じでした。残念!!(個人的にはあまり好きなテイストではありませんでした。)
お部屋の扉
お部屋の入り口は引き戸のつくりとなっていました。引き戸を開けると、玄関の様な感じになっており。居室まで畳の廊下となっています。
客室内の廊下
エレベーターからお部屋まで向かうまでの廊下となります。昼間でも暗い感じでした。
2階の廊下
マットレスを敷いた布団の寝心地は悪くない
ベッドを備えられたお部屋もありますが、仲居さんに布団を敷いてもらうかたちのお部屋でしたがマットレツの厚さもあり、ベッドの様な寝心地でした。
また、我が家は、未就学児が2人いて添い寝でしたが、特段狭さを感じることはありませんでした。
お部屋にお風呂は無く、シャワーのみ
スタンダード和室には、お部屋にお風呂は無く、シャワーのみです。
大浴場に行ってお風呂に入る必要があります。ただ、オムツの取れていない幼児については、大浴場の利用は出来ないことになっていますので、シャワーを浴びるのみとなります。
食事は部屋食
食事は、朝食、夕食ともに部屋食となります。
夕食は、一品一品仲居さんに運んできてもらうかたちとなります。我が家は、小さい子供がいることから全品テーブルに並べてもらいました。(全て一度に持ってきてもらうのは、やや怪訝な顔をされました)
一品一品適切な温度で提供したという以降はわかるのですが、こちらの事情を考慮して、対応してほしかったところです。臨機応変さが足りない感じでした。
料理自体はとても美味しかったので満足です。(すみません、写真を取り忘れました。。。)
飲み物の持ち込みは不可
強羅花壇では、飲み物の持ち込みは不可となっています。
正直なところ、これには疑問を感じざるを得ません。リッツ・カールトンなどはどこにでも水は置いてありますが、強羅花壇ではその都度旅館の飲み物を買う必要があります。
小さい子供がいる場合には、水分補給をしなければならな時もありますし、飲み物の持ち込みは不可は意味不明でした。
まぁ、買ってくださいということなのでしょう。こういったところで、ホテル/旅館としての経営方針が伺われ、強羅花壇はどこまでもお金を取ろうという意識が透けて見えてしまって、とてもひきました。
『翠松園』では、露天風呂を出たところに、ビール、アイス、水、コーヒー牛乳などが並べてあり、露天風呂を上がった人が何を欲するか考えて用意されているという、ホスピタリティを感じられる演出がされています。
強羅花壇は、宿泊者をもてなすという姿勢(意識)がやや薄いのではないかと思いました。
屋内プールは、屋外ジャグジー付きの温泉プール
本館1階にあります。1階とは言え、ロビー階(4階)が通常の1階となり、ロビー階もエントランスがある階から1階下がっていますので、エントランス階から5階下がることになります。宿泊者のみ使える屋外ジャグジーがついているプールは快適でした。プールがついている温泉旅館は珍しいので楽しめました。温泉プールですので、一年中入ることが出来ます。
ただ、各種制限があるのと、プールなのにミネラルウォーターすら置いてなく、売っているのには驚きました。(ここでも金なのかと、、、)
- 営業時間:8時〜18時(最終入場:17時30分)
- 利用者:宿泊者限定
- 利用制限:8時~11時(季節により変動)は大人のみの利用(おむつの取れていない子供は利用不可)
- 大きさ:長さ15m、幅7m、水深0.8m~1.2m
- 貸出:水着・バスローブ(有料)
大浴場はやはり気持ちがいい
本館ロビー階に大浴場があります。もちろん、大浴場には露天風呂もあります。また、かけ流しは無く、濁りもありません。
大浴場も時間によっては5~6人はいたりしますので、1人で貸し切りみたいな状態は少ないのではないかと思います。それでも混雑するという感じはしませんでした。
露天風呂の先、すぐのところには箱根登山鉄道が走っており、電車が走っている時間には静寂の中での露天風呂と言う訳にはいきません。
強羅花壇のHPより
- 営業時間:15時~翌日の11時まで(11時~15時は清掃の時間)
- かけ流し:なし
- にごり湯:なし
- 大浴場は2つあり、深夜に男女入替
貸し切り露天風呂(家族風呂)は狭い
本館ロビー階の奥に貸し切り露天風呂(家族風呂)があります。こちらは予約制となっており、結構埋まっていたりするのでチェックイン時に予約することをおすすめ致します。
また、思っていた以上に狭いですし、オムツの外れていない子供は入れませんので、開始して10分くらいで出ました(個人的には大浴場の方が有意義かと思います)。
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- 営業時間:6時15分~22時40分まで
- かけ流し:あり
- にごり湯:なし
- 定員:3名
- 時間:40分間(予約制)
日帰り「貸切露天風呂入浴プラン」での利用も可能
「懐石料理 花壇」お食事と入浴がセットになったプランが発売されています。強羅花壇の食事と貸し切り温泉に入ることが出来るプランです。
強羅花壇の食事は美味しいですし、お風呂も楽しみたいという方にはぴったりかもしれないです。10万円以上のお金を払ってまで宿泊する必要があるのか、やや疑問に思いましたので、日帰りプランは、実はお得なのではないかと思います。
子供料金、年齢制限など子連れに役立つまとめ
強羅花壇は、露天風呂がついていないお部屋の場合には小さな子連れファミリーには、あまりおすすめできる旅館ではないと思います。
宿泊年齢制限はないものの、子供料金は発生
子供の宿泊制限はありません。箱根では12歳以下、16歳以下は宿泊不可の旅館も多数ありますので、その点では子連れファミリーにも門戸を開いていることが伺えます。
ホテルでは、添い寝には料金が発生しないとかありますが、旅館は子供料金が発生します。
強羅花壇においての子供料金は下記となります。なお、離れの一室(「泉心」)は子供は利用できません。
添い寝 | 2人まで |
6~12歳(食事あり、寝具あり) | 20,000円(税サ別) |
4~5歳(食事あり、寝具あり) | 15,000円(税サ別) |
1~3歳(食事なし、寝具あり) | 6,000円(税サ別) |
1~3歳(食事なし、寝具なし) | 4,000円(税サ別) |
0歳 | 0円 |
大浴場・貸切露天風呂、屋内プールで利用制限あり
強羅花壇では、大浴場と屋内プールで利用制限があります。
- 大浴場・貸切露天風呂:オムツが取れていない子供は利用不可
- 屋内プール:8時~11時は子供は利用不可
感想・総評・評点
強羅花壇は、一度は泊まってみたいと思った旅館でした。しかし、実際に泊まってみると、あの宿泊料金を払って泊まりたいと思う旅館ではないことを実感しました。
料金帯からすると、リッツ・カールトンと同様の水準にあるので、相応のホスピタリティがあって然るべきと思いましたが、その水準には全く届いていませんし、文句を言いたくなるような対応もありました。
同じようなお金を払うのであれば、リッツ・カールトンを選びますし、同じ箱根で温泉に入りたいのであれば、『翠松園』の方が安くて旅館としても数倍良いと思いました。